『松岡まどか、起業します―AIスタートアップ戦記―』(安野 貴博 著)をAudibleで聴いたので作品内容や登場人物を紹介します。
『松岡まどか、起業します―AIスタートアップ戦記―』ショートレビュー

成り行きでAI起業した新卒社長の崖っぷちの日々
インターン中に内定取り消しの憂き目にあった女子大生・松岡まどか。
窮地を脱するつもりで、女性投資家と結んだ起業の契約は、さらに不条理なものだった。
その条件は『1年以内に時価10億円にしなければ、1億円の借金を背負う』というもので…。
ナレーション 岸本 愛
著者は2024年に都知事選に出馬して注目を集めた安野貴博氏。
『AIエンジニア・起業家』という著者の経歴はそのまま主人公に重なっていて、ストーリーにはAIと起業のリアルな『今』が凝縮されています。
終盤のaudibleならではの『声』が活きた終盤の展開も印象的。
『松岡まどか、起業します―AIスタートアップ戦記―』作品情報

主な登場人物・人物相関図

詳しい登場人物まとめ
オーディオブックだと頭に入ってこない事があるため、なるべく全人物メモしてます。同様の方がいたら参考にしてください。
※オーディオブックでの視聴のため、正確な表記が不明/誤りがある場合があります。漢字はwikipediaや本を参照。
松岡まどかは複数のAIエージェントにそれぞれ役割と名前を付与しています。
最初、『各エージェントもストーリーに絡んできそう。名前と違いも覚えておいた方が良いかもしれない』と思ったんですが、特に覚えなくても問題なかったです。
松岡まどか | リクディード社の内定を取り消しされたインターン。 22歳。 松岡が育成しているAIエージェント: まさむね(恋人役)/みつなり/ながまさ/しんげん |
郷原秀人 | リクディード社・事業部長。 |
三戸部歩 | 同社・松岡のインターンの教育係。 |
さこた | 同社・取締役。CSO。最高戦略責任者。 |
梨本 | 同社・エンジニア職のインターン。松岡の同期。 |
ちかもり のぼる | 同社・郷原派。 |
よしたけ しょうじ | 同社・郷原の部下。 40歳。コーポレイトベンチャーキャピタルのマネージャー。 |
遠藤 麻由子 | ナデシコ・マネジメント創業者。40代。 松岡をスタートアップに誘う。 |
はんだ けいいち | スタートアップのキャピタリスト。元メジャーリーガー。 |
ノラネコ(松岡の会社)関連 | |
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えばた | ノラネコ・インターンの学生。梨本の後輩 |
せいの | 同・営業部長。40代後半 |
とみなが | 同・PRマーケ担当 |
じんない | 同・経理。30代中盤 |
いのうえ | 同・営業。 |
(エンジニア2名) | 同・業務委託 |
川井田 潤 | AI研究者。民間企業で求職活動中 |
にしだ | ノラネコに融資。モーダルキャピタル。 |
くまくら | ノラネコの出資者。ベンチャーキャピタルの若手。 |
『松岡まどか、起業します―AIスタートアップ戦記―』ナレーションについて

ナレーションは『岸本 愛』氏。
キーパーソンの松岡まどか・三戸部歩、二人のキャラクターに合わせた声の演じ分けが特に良かったです。
『ハレーション(AIが出力する偽情報)』などAIや起業に関する用語は出てきますが、そこまで『専門用語が多くて難しい』という感じではないと思います。
一つ気になったのが『貴社』の使い方。
話し言葉では『御社』、書き言葉では『貴社』が一般的だと思うんですが、作中、会話で『貴社』が使われてます(第3話中盤)。
『御社/貴社』の使い分けはそこまで厳格じゃないかもしれませんが、教育係の三戸部さんが使ってたこともあり、少し気になりました。
あとがき

聴く前は『エンジニア・起業家の書いた小説』ということで少し構えてた部分がありました。
専業作家以外の場合、何らかの違和感を覚えるケースもあるので。
(『この文章、本人が書いてる?』など感じて、確認すると文章はプロのライターが書いてて共作だった、など。逆に海堂尊・夏川草介・知念実希人など人気の兼業作家も多い。特にこの3人のように何故か医師の人気作家は多い)
本作の場合は予備知識がなければ、普通にプロの作家だと思ってたと思います。
また、『東大卒・エンジニア・起業家・政治家・SF作家』という肩書きだけ見ると、重厚で難しそうという印象も受けます。
でも、SF作品の中でもだいぶ読みやすく、エモーショナルなエンタメ作品で。色々と良い意味で聴く前のイメージが裏切られる作品でした。
著者 | 安野 貴博 |
ナレーター | 岸本 愛 |
再生時間 | 11 時間 15 分 |
発行年 | 2024 |
配信日 | 2024/11/26 |
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