『成瀬は天下を取りにいく』の著者・宮島未奈氏は爆笑問題の大ファンと公言されてます。
しかも、『成瀬〜』の内容は太田さんの影響を受けていて、太田さんの高校時代のエピソードなどが反映されている、とのこと。
(太田さんが宮島氏から直接そう言われたとTBS JUNK『爆笑問題カウボーイ』内で話してました)
自分も爆笑問題のファンでラジオのリスナー。
上記の予備知識を元に『成瀬〜』を聴いたら、確かに『太田光』に通じるものを感じました。
もちろん、著者が実際意図したかどうかは不明ですが、爆笑問題の一ファンの視点で成瀬あかりと太田光に通じる点を挙げてみました。
※ 基本的に既読の方向けで、ネタバレは気にせず書いてます。
『成瀬は天下を取りにいく』を聴いて思った、爆笑問題『太田光』との共通点
まず、真っ先に思い浮かぶのは名前。
『成瀬あかり』と『太田光(ひかり)』。
(成瀬が通う中学校名は『きらめき中学校』)
偶然かもしれませんが、普通に似てるなと思います。
その他、爆笑問題のファンとして『成瀬と太田さんが近い。似てるエピソードがある』と思ったところは次の点です。
- 学生時代、浮いていて孤立した存在(この点は著者自身も意識したとコメント)
- 学生時代、嫌われていて、嫌がらせを受ける
- 『天下をとる』にちなんだセリフ・エピソード
- 文化祭で演劇を披露
- スマホを持ってないこと
- 時事漫才
- 我が道を突き進むところ
学生時代、浮いていて孤立した存在
マイペースで変わり者で、周りから距離を置かれ孤立する。
太田さんも高校時代、3年間一人も友達ができず、孤立してたというエピソードは有名です。
そんな状態でも、机に365本の線を書いて、1本ずつ消しながら毎日通学。皆勤賞までとってます。
この点は著者自身も同じように不遇な高校生活だったらしく、だから太田さんのエピソードを知って勇気づけられたそうです。
太田さんと同じように机に365本の線を書いて、皆勤賞をとっているのは驚きです。
ちなみに太田さんが孤立してたのは高校時代のみ。成瀬あかりの方は小学校高学年くらいから徐々に、というところは微妙に違います。
学生時代、嫌われていて、嫌がらせを受ける
小学校の時、凛華・鈴奈といった同級生に嫌われ、嫌がらせを受ける。
太田さんのエピソードで思い浮かんだのが大学時代の新歓合宿の話。
太田さんは大学時代は田中さん始め友達も多かったけれど、嫌われてる人も多かったらしく。
合宿先の軽井沢に向かうバスの中で、突然ある女子学生から『私は太田光が嫌いです』と宣言される、という出来事があったそうです。
しかも、立て続けに10人くらいから同調の声が挙がった、とか。
【追記 2024.08】
ちょうど記事投稿後のラジオでもこのエピソードを話されてました。
教授にも拒絶された話もしていて、試験の出席を拒否されて単位を落としたそうです…。←これは同じく講義を真面目に受けていなかった田中さんも含む。
あと、孤立していた高校時代には、
『修学旅行の班行動の際に、他のクラスメイトに撒かれて、旅行先で迷子になった』
というエピソードもあります。
こういうことが起こった背景は一言で書けませんが、少なくとも大学時代は太田さんも無茶苦茶で。
意識的に『大学デビュー』を目論んで、大学受験会場で目立とうと試験官を野次ったりしてたそうです。
(この時に田中さんが初めて太田さんを目撃する)
『天下をとる』にちなんだセリフ・エピソード
『成瀬は天下を取りにいく』は成瀬が『島崎、私はお笑いの頂点を目指そうと思う』とM-1優勝を目指すことに由来
爆笑問題にも『天下』で思い浮かぶ有名なエピソードがあります。
それは太田さんがまだ若手の頃、故・立川談志に次の言葉をかけてもらった、というもの。
『太田、天下取っちゃえよ』
これも活字にすると『桐島、部活やめるってよ』みたいでちょっと小説のタイトルっぽいです。
ちなみに、もう一つ談志師匠から言われた言葉で『太田、田中は絶対に切るなよ』も有名。
文化祭で演劇を披露
中学の文化祭で演劇を披露
太田さんも高校の時に学園祭で演劇をしてます。
高校の友達がいない時期で、役者は自分だけの一人芝居。観客も担任一人。
ただ、2日目はちゃんと他の生徒もたくさん観てくれて好評だったそうです。
成瀬はその後演劇を続けていないようですが、太田さんは現在も映画製作への思いを持ち続けています。
2023年刊行の太田さんの小説『笑って人類!』も元々は映画用だったんですが、映画化は叶わず。小説用に書き直したそうです。
スマホを持ってないこと
成瀬は他校の男子生徒 西浦 航一郎に連絡先を聞かれ、スマホは持ってないと返答。
西浦は友人に『今どきスマホ持ってない女子高生がいるはずないので、体よく成瀬にフラれた』と思われる。
このエピソードがある意味、一番『太田光』を感じました。
なぜなら、『スマホ持ってない』で思い浮かぶのが、太田さんくらいなので。
太田さんはよく芸能人とのメールのやり取りの話はしますが、スマホはずっと持っていません。
メールはおそらくPC(macbook)を使ったやり取りだと思います。
時事漫才
成瀬と島崎のコンビ『ゼゼカラ』は西武大津店の閉店など時事を取り入れた漫才をする。
(作中、参考にしてるのはアンタッチャブルの漫才)
分かりやすいところで、時事ネタを取り入れた漫才も共通点ではあります。
ちなみに、M-1用の漫才としては基本的に時事ネタは向いてないと思います。
M-1は時間をかけて試行錯誤した勝負ネタを使うはずで、時事ネタだとどうしても話題が古くなってしまうので。
爆笑問題の漫才は、最新時事をネタにして、初おろしがテレビや舞台の一発勝負。
そして、すぐに賞味期限切れ、というM-1とはタイプが異なる漫才だと思います。
我が道を突き進むところ
『シャボン玉を極める』『M-1に出場する』『高校3年でどれだけ髪が伸びるか実験する』
周りの目や空気を気にせず、好奇心の赴くままに自分のやりたいことやる。
最後に抽象的ではありますが、成瀬の性格の一番の特徴とも言えます。
例えば太田さんで言うと、『政治の話をすること』。
今は時代的に風通しはよくなりましたが、それでも積極的に政治の話をする芸人は多くありません。
まして数十年前に若手芸人が政治を語ることは世間の逆風も強かったと(確か何かの自著で)本人も振り返ってます。
それでも、黙ることなく語り続け、しかも瞬間最大風力では過去の逆風よりここ数年の方が強いくらいで、正に『我が道をいく』を感じます。
あとがき
著者、宮島未奈氏が爆笑問題の大ファンということで、同じファンとして『成瀬』を読んで『太田光』を感じたポイントを挙げてみました。
一つ目以外は、著者本人が意識してるかは不明で、実際どうなのか気になるところです。
改めて、成瀬あかりと太田光のエピソードを並べて思ったのは、
太田さんの方がエピソードが強い
ということ…。
記事で挙げたエピソードは一部で、例えば恋愛関連も、妻の太田光代社長と会ったその日から同棲し始めたり。
個性的なキャラが売りで本屋大賞をとった主人公よりキャラが濃く、改めて太田さんは尋常じゃないなと思いました。
宮島氏×太田光。『太田上田』で共演
youtubeで①②の2つの動画が公開されてます。
②の方で宮島氏は『帯コメントを太田さんに頼みたかったけど、新潮社だからできなかった』とコメント。
これは新潮社の週刊誌が『太田さんの父親が太田さんを裏口入学させた』という記事を出して、裁判沙汰になった事を指してます。
宮島氏からアプローチしていないのに、純粋に太田さんが『成瀬〜』を絶賛し、共演に至ってるのは爆笑問題のファン冥利に尽きるなと思います。
宮島氏の服装は『ゼゼカラ』の衣装が野球(西武ライオンズ)のユニフォームのため。
衣装が野球のユニフォームで、著者はボキャ天が好きで、太田さん上田さんがいるのに、BOOMERの話は全く出てこず。
ユニフォームが衣装の芸人はBOOMERくらいしか思い浮かばないので、関係あるのかと思ったんですが、そうでもなさそうです。
『成瀬〜』で一つ気になったくだり:さだまさしのエピソード
同窓会の章の途中、『さだまさしが好きでケニアに移住した同級生がいる』という(些細な)くだりがあります。
移住のキッカケになった曲は、おそらく『風に立つライオン』。
なぜ引っかかったかというと、このくだりの直前に同級生の『田中』という名前が登場します。
そして、爆笑問題のラジオの人気長寿コーナー『CD田中』で、『風に立つライオン』をはじめ、さだまさしの曲が(一時期)頻繁に登場していたため。
本当に取るに足らない共通点ではあるんですが、意図的なのものなのか?地味に気になりました。
『太田さんを意識した』と明言もしている作品に、なんの意味もなく『田中』姓を使うことはあるのかな?とも思えます。
もう一つ、気になる共通点が見られる小説『鴨川ホルモー』
『鴨川ホルモー』の主人公・安倍もさだまさしを異常なほど敬愛しています。
その安倍が在学してる学校は京都大学。著者の万城目学氏本人も京大出身。
『成瀬〜』の宮島氏も京大出身で、主人公、成瀬も京大志望です(1巻では忘れましたが、少なくとも続編で京大を受験。一応伏せますが合否も出ます)。
そして両著者とも『鴨川〜』『成瀬〜』がデビュー作にして出世作。
その両作品に、登場人物が敬愛してやまない歌手として『さだまさし』の名前が登場。
これはただの偶然なのか?京大と『さだまさし』に何か関係があるのか?
と、これも本当に取るにたらない部分なんですが、気になりました。

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