『鴨川ホルモー』(万城目学 著)をAudibleで聴いたので作品内容や注目ポイントを紹介します。
▽ イメージ画像付きであらすじを紹介
画像は私的/商用利用可能な画像生成AI(AdobeFirefly)やフリー素材を使用して作成しています。
悩める京大生が送る、恋と青春とホルモーの日々
京都大学に入学した安倍は「京大青竜会」なる怪しいチラシを配るサークルに誘われる。
入会するつもりはなく、新歓コンパに参加した安倍だったが、そこで見かけた新入生の早良京子に一目惚れ。
活動内容もよく分からないまま、サークルに入ることに。
入会してしばらくすると、「京大青竜会」499代会長 菅原誠からサークルの真の目的「ホルモー」について明かされる。
いわく、「ホルモーとは10人対10人で幾多の鬼や式神を使い、戦国合戦図屏風のように戦う集団競技」だという。
到底、すぐには信じられない一回生達。
しかし、上回生が引退する「吉田代替わりの儀」が神社境内にて執り行われると事態は急変ー。
全てを現実のものとして受け入れた「第500代京大青竜会」はじめ、京都の四大学が火花を散らすホルモーの戦いの幕が開ける。
- 山田孝之主演で映画化(2009)
- 本屋大賞候補(2007)
『鴨川ホルモー』ショートレビュー・注目ポイント

基本的に上記『紹介画像』と同じですが、画像に盛り込めなかった内容についても触れてます。
※重要なネタバレなし
京都の大学生達の間で人知れず受け継がれている謎の対戦型競技「ホルモー」
各大学の10人対10人で(小人くらいのサイズ感の)鬼・式神を操り、戦いを繰り広げるという「ホルモー」。
この競技は当然本作のオリジナルで、まず何よりユニークなポイントです。
500年以上受け継がれてきた様々な儀式や制約も含めて、徐々に「ホルモー」の全容が明らかになっていきます。
主人公・安倍が一目惚れした美しい鼻をもつ早良京子との恋の行方
主人公・安倍は少し変わった嗜好の持ち主で、大の鼻フェチ。
自分でも持て余すほど、サークルメンバー・早良京子と早良京子の鼻に惹かれます。
このちょっと特殊な恋愛感情がちょっと特殊な恋愛模様を描き、安倍の大学生活に大きな影響を及ぼします。
京都を舞台にしたファンタジックな作風が人気の万城目学のデビュー作品
本作は万城目学の2006年のデビュー作品。
今読み返すと、『京都・ファンタジー・青春』や『軽妙でコミカルな文体・キャラクター』といった万城目作品らしい作風はすでに確立されていると実感します。
どの作品から入っても万城目ファンならぜひ手に取りたい作品です。
「鴨川ホルモー」は2009年に山田孝之主演で映画化
青竜会メンバーとして濱田岳、芦名星、栗山千明、石田卓也らが出演。
イメージしずらいホルモーの戦闘シーンがリアルにビジュアライズされています。
当時映画も観ましたが、小説が気に入ったなら映画もおすすめです。
特にオニ語をはじめ、ホルモーの戦闘シーンの描写は映画の方がより細かく描かれていて、「ホルモー」の臨場感や珍妙さが伝わる作品になってます。
『鴨川ホルモー』作品情報

主な登場人物・人物相関図

『◯回生』は関西以外は馴染みがないと思いますが、関西での大学の年次の表現です。
『ボンちゃん』のあだ名の元ネタは髪型のメガネが特徴的なタレント『大木凡人』の愛称『凡ちゃん』。
詳しい登場人物まとめ
オーディオブックだと頭に入ってこない事があるため、なるべく全人物メモしてます。同様の方がいたら参考にしてください。
※オーディオブックでの視聴のため、正確な表記が不明/誤りがある場合があります。漢字はwikipediaや本を参照。
| 京大青竜会 | |
|---|---|
| 安倍 | 主人公。京都大学総合人間学部1回生。さだまさしの大ファン |
| 高村 | 経済学部1回生。LAからの帰国子女 |
| 菅原真 | 499代会長。理学部3回生 |
| 早良 京子 | 法学部1回生 |
| 芦屋 | 法学部1回生。イケメンで良くも悪くも我が強い。リーダー的存在 |
| 松永 | 1回生のメンバー |
| 坂上 | 1回生のメンバー |
| 紀野 | 1回生のメンバー |
| 三好兄弟 | 1回生のメンバー |
| その他 | |
|---|---|
| 店長 | 居酒屋「べろべろばあ」の店長 |
| 立花 美伽 | 龍大フェニックス 499代会長 |
タイトルの意味・由来について
ホルモーは既に書いた通り、『10人対10人で幾多の鬼や式神を使い、戦国合戦図屏風のように戦う集団競技』のことです。
『ホルモー』という名前は(ネタバレという程ではないと思うので書くと)
『対戦中、敗北した際に無意識かつ強制的に”ホルモー”と叫ぶ』ところに由来してます。
例えると『UNO(ウノ)』に近い感じで、単純に決着の際に『ホルモー』と言葉を発するから『ホルモー』です。
無意識に『ホルモー』と叫んでしまう原理はこの世ならざる、オニや式神の世界の理です。
『鴨川ホルモー』の由来は『その四 処女ホルモー』で明らかになります。
これもストーリーとは関係ないので書くと、
その期のホルモーの戦いを毎回『第500代目間ホルモー』と呼ぶのは面倒なので、京都の地名で呼ぶのが慣習となっている。
命名はホルモーに参加する4大学の持ち回りで、『第500代目間ホルモー』の担当は京大。
そこで会長の菅原真が思いつきで『鴨川ホルモー』と命名した。
というのがタイトルの由来になってます。
『鴨川ホルモー』ナレーションについて

ナレーションは『水野 貴雄』氏一人。
京都が舞台ですが、特に方言っぽさはなく全体的に標準語のイントネーションです。
そういえば、言葉自体も方言っぽい要素はないので、イントネーションも標準語なのかもしれません。
『京都色が強い作風なのに言葉に京都っぽさはない』は森見登美彦作品にも通じる、一つの特徴かもしれません。
ナレーションで気になる著者本人の注釈について
Audibleでは1ヶ所注釈が入ります。
『その三 吉田代替りの儀』の途中で『さて、ここで閑話休題〜』と突然、著者、万城目学氏本人を名乗るナレーションが始まります。
オーディオブックは色々聴きましたが、こういうケースは初めてで、何気なく聴いてたら結構ビックリすると思います。
内容は『ここから青竜会メンバーが儀式で踊る歌のくだりがあるが、Audibleでは著作権の問題でカットした』というもので、『その箇所の詳細は原作を参照して欲しい』とのこと。
ただ、どんな歌か気になる人もいると思うので、補足すると、ここでメンバーが歌って踊る曲は『レナウンワンサカ娘』です。
80年代に流れたレナウン(アパレルブランド)のテレビCMで有名な曲で、映画版『鴨川ホルモー』でも確認できます。
あとがき

『鴨川ホルモー』は映画公開当初に観て以来、約15ぶり位に視聴しました。
映画版は2、3回観てるので、割と好きな作品です。
全体的なストーリーは同じですが、戦闘シーンは映画の方が詳しい点が原作との大きな違いだと思います。
映画では『アガベー』『ゲロンチョリー』といったオニを操る『オニ語』が沢山使われるんですが、原作ではほとんど登場せず。
山田孝之、栗山千明らが『アガベー!』『ゲロンチョリー!』と意味不明な言葉を全力で叫ぶシーンが観たい方は映画版もチェックしてみてください。
あと、個人的に俳優・芦名星といえば『鴨川ホルモー』でした。
作中の描写通り、鼻が高く鼻筋が通ってるのが印象的で、訃報を聞いた際はまず『鴨川ホルモー』の早良京子が思い浮かびました。
| 著者 | 万城目 学 |
| ナレーター | 水野 貴雄 |
| 再生時間 | 8 時間 51 分 |
| 配信日 | 2024/04/19 |
| 発行年 | 2006 |










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